not for the life of me

ビールが好きです。でもウイスキーのほうがもっと好きです。

「白い」トニー賞

今年のTony Awardsが終了。

結果はあらかた予想通り。

 

予想通りなだけに、なのか、Hamilton一色だった去年よりも結果がつまらなく感じる…。

 

そして何より、今年のトニー賞でちょっと残念に思うのが、

”とにかく真っ白”

なこと。

 

昨年のトニー賞は、ミュージカル部門の俳優賞がすべてアフリカ系だったことで話題になった。"White Wash"と酷評されたアカデミー賞とは異なり、アフリカ系の俳優たちが活躍し、当日にOrlandoでホモフォビア/ヘイトによる凄惨なテロ事件が発生したこともあってオープニング前のJames Corden(ホスト)によるスピーチからオープニングナンバーでの同じくJames Cordenのメッセージ、受賞者のスピーチには多様性と人の尊厳を重んじる姿勢が強く見られた。

ところが一転して、今年のトニー賞は信じられないくらい真っ白になった。ノミニーの段階ですでに白さが気がかりだったけど、受賞者も、舞台でパフォーマンスをする役者たちもほとんどが白人。しかも、NYTも指摘していたように、今年のトニー賞からは政治色が抜けて、コメディー重視になっていた。

 

昨年の批判を受けてか、今年のアカデミー賞では助演男優賞助演女優賞をアフリカ系の俳優が受賞した(マハーシャラ・アリヴィオラ・デイヴィス)。

作品賞も、アフリカ系アメリカ人の少年の物語を描いた『ムーンライト』が受賞し、昨年の汚名を返上した。

その前には、ゴールデングローブ賞メリル・ストリープが(その名前こそ出さないものの)強いトランプ批判をスピーチで展開し、話題になった。

 

トランプ政権が誕生し、世界的にヘイトへの懸念が非常に強くなっているなかで、トニー賞が反ヘイトの流れに乗れなかったのが、いちブロードウェー・ファンとしてとても残念に思う。

トニー賞に限らず、ブロードウェー・コミュニティはリベラル色が強く、多様性を尊重する集団だと強く信じていただけに、よけいに残念に思う。

 

アフリカ系やアジア系などが受賞すればよい、というわけではないが、いかんせん、今年は目に余るほど、白すぎる。